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集合住宅・オフィスにおける「置床(二重床)工法」の選定基準と遮音性能の重要性

集合住宅・オフィスにおける「置床(二重床)工法」の選定基準と遮音性能の重要性

床工事の協力会社をお探しの元請けご担当者や、オフィス・店舗・公共施設の床改修を任された管理者の方にとって、「どの床下地を選ぶか」は意外と頭を悩ませるテーマではないでしょうか。

これまで二重床は、配線や配管の取り回し、遮音、メンテナンスのしやすさといった面から、集合住宅やオフィスを中心に数多く採用されてきました。とはいえ、選び方や施工を誤れば、期待した遮音性能が得られないこともあるのです。

この記事では、置床の基本的な仕組みに始まり、遮音性能を示すΔ(デルタ)等級の読み方、注意したい太鼓現象とその対策、用途別の選定基準やメンテナンス性までを順に解説します。

目次

そもそも置床(二重床)工法とは?仕組みと選ばれる理由

 

置床とは、床材を直接コンクリートに張るのではなく、いったん浮かせて床下に空間をつくる下地工法のこと。

この構造をイメージできると、後で触れる遮音や配管の話がぐっと飲み込みやすくなります。

まずは仕組みと、現場で選ばれてきた背景から見ていきましょう。

■置床(二重床)ってどんな床のこと

置床とは、建物の床躯体にあたるコンクリートスラブの上へ、高さを微調整できる支持脚を立て、その脚で床パネルを浮かせて組む下地構造を指します。

スラブと床パネルのあいだには空気の層が生まれ、支持脚の多くには防振ゴムが組み込まれているのが特徴。

乾式二重床、あるいは単に二重床とも呼ばれ、マンションからオフィスまで幅広い建物で使われてきました。

この『床が浮いている』という構造によって、このあと紹介する長所と注意点の両方が生み出されます。

置床はスラブの上に空間を挟んだ床であると把握しておくと、続きの内容が頭に入りやすくなります。

■置床が選ばれる4つのメリットとは?

置床が支持されてきた背景には、複数の利点があります。代表的なものを4つに分けて押さえておきましょう。

  • 配管・配線の自由度:床下の空間に給排水管や電気配線を通せるため、スラブへの埋め込みが不要。
  • メンテナンス性:床下点検口を設けやすく、配管の点検や補修にも手が届きやすい。
  • 段差解消・バリアフリー:床の高さを自在に調整でき、仕上げ材の厚みの違いも吸収できる。
  • 断熱性:床下にできた空気層が断熱層として働き、底冷えを抑えやすい。

さらに、フローリングやタイル、カーペットなど仕上げ材の選択肢が広いことも、設計の自由度という点で見逃せない強みです。

遮音性能の指標「Δ(デルタ)等級」を正しく理解する

床の遮音を語るうえで欠かせないのが、「音の種類」と「性能を示す数字」の理解です。ここを理解しないまま製品を選ぶと、カタログを見ても適切な判断がしにくくなります。はじめに、床に伝わる音の分類から確認していきます。

■床の音には「軽い音」と「重い音」がある

床から階下へ届く衝撃音は、大きく2つに分けて考えます。

  • 軽量床衝撃音(LL):高く硬い音。スプーンや硬貨を落としたときに響くタイプ。
  • 重量床衝撃音(LH):低く重い音。子どもが跳びはねたり走り回ったりして生じるタイプ。

置床の支持脚には防振ゴムが組み込まれており、その形状でLLの振動伝達を抑え、ゴム全体でLHの衝撃を受け止めます。

どちらの音をより重んじるべきかは、建物の使われ方によって変わります。

■製品を比べる物差し「Δ(デルタ)等級」とは?

床材そのものの遮音性能を比べる物差しとなるのが、Δ(デルタ)等級です。

長く使われてきた「推定L等級(LL-45など)」は、スラブの厚さや部屋の条件しだいで値が動くため、製品どうしの比較には向きませんでした。

そこで試験条件をそろえ、床材単体がどれだけ衝撃音を抑えられるかを示すために設けられたのがΔL等級。

軽量衝撃音にはΔLL、重量衝撃音にはΔLHが使われ、いずれもJISの試験方法に沿って測定されます。

気をつけたいのは数値の向き。L等級とは逆に、Δ等級は数字が大きいほど床衝撃音の吸収性能が高く、たとえば4等級は2等級を上回ると読み取れます。

置床で気をつけたい「太鼓現象」とその対策

多くの利点を持つ置床にも、見落とせない弱点があります。その代表格が「太鼓現象」と呼ばれる音のトラブル。

軽い音には強いはずの置床が、条件によっては重い音で不利に働く場合もあるため、仕組みと対策をセットで頭に入れておきたいところです。

■太鼓現象はどうして起きるの?

太鼓現象とは、床下の空気層が密閉されることで、太鼓を叩いたときのように低い帯域の音が増幅されてしまう現象を指します。

床パネルとスラブのあいだの空気が逃げ場を失うと、ばねのように振動を伝え、低い重量床衝撃音が響きやすくなります。

壁際の納まりや、幅木とフローリングの接触によって空気層が密閉されると、この床衝撃音が大きくなりやすいのです。

加えて、室面積が小さい部屋ほど床端部の影響を受けやすく、ここは見落とせないポイントです。

■太鼓現象を防ぐ施工のコツ

太鼓現象は、いくつかの基本を押さえれば抑え込めます。代表的な対策を挙げてみましょう。

  • 壁際やフローリングと幅木のあいだに適度な隙間を設け、空気の逃げ道を確保する。
  • 壁際に硬い固定材(在来固定際根太など)を多用せず、防振タイプの支持部材を用いる。
  • 床下の空気層、つまり床の高さをしっかり確保する。

どの対策も、メーカーの施工要領書どおりの納まりと、丁寧な施工管理があってこそ活きてきます。

用途別の選定基準とメンテナンス性・更新性の考え方

置床の用途ごとの優先順位と、長く使い続けるための視点を順に見ていきます。

■集合住宅・オフィス・公共施設で選び方はどう変わる?

同じ置床でも、建物の用途しだいで重視すべき点は変わります。

  • 集合住宅:階下への遮音が最優先。軽量・重量の床衝撃音をどう抑えるかが要
  • オフィス:OAフロアによる配線対応と、机や什器の配置のしやすさ
  • 公共施設・体育館:人や物の荷重、繰り返しの衝撃に耐える強度と耐久性

集合住宅では階下の騒音、オフィスでは配線対応、公共施設や体育館では強度と耐久性が重要です。

信頼できる施工会社は、用途の違いを把握したうえで的確な提案を行います。

■将来の入れ替えを楽にする「更新しやすさ」とは?

建物は、竣工してからのほうがはるかに長く使われていくものであるため、将来の間取り変更まで視野に入れておきたいところです。

間仕切り壁を後から動かす可能性があるなら、床を先に仕上げる床先行工法や、プラン変更に強いフリープラン対応の仕様が有力な候補。

いずれも、間取りを変えても床の遮音性能が落ちにくいよう工夫された組み方だからです。

初期費用の安さだけで決めず、改修や設備更新のしやすさといった中長期的な視点で製品を選ぶ必要があります。

まとめ|用途と将来を見すえた置床選びを

置床(二重床)は、配管・配線の自由度やメンテナンスのしやすさ、段差解消など、多くのメリットを備えた工法です。

その半面、太鼓現象に代表されるように、選び方や施工しだいで性能が大きく左右される一面も持ち合わせています。

そのため、軽量・重量それぞれの床衝撃音とΔ等級を理解したうえで、用途とこれからの使い方まで見すえて仕様を決めることが欠かせません。

とはいえ、これらをすべて自前で見極めるのは、決してたやすいことではないはずです。

株式会社ミヤガワは、床の下地づくりから仕上げ、補修・メンテナンスまでを一貫して手がける、床工事の専門会社。

集合住宅やオフィス、学校・公共施設まで、さまざまな現場で実績を積み重ねてきました。

床の工法選びや遮音対策でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

埼玉の床工事は床工事専門の株式会社ミヤガワへ

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