Columnコラム

建設現場における安全管理は、単に「事故を防ぐためのルール」ではありません。

そこには、働く人の命と健康を守り、安心して高品質な施工を提供するための大切な土台があります。

株式会社ミヤガワでは、そんな安全への取り組みを“自主的”に行うことを大切にし、自社および協力会社主体による自主的な「安全パトロール」を継続的に実施しています。

一般的に安全パトロールは、元請企業が主導し、協力業者に呼びかけて行います。

しかし株式会社ミヤガワでは、自社および施工協力会が主体となり、作業員一人ひとりの安全意識を育てる場として安全パトロールを位置づけています。

この姿勢こそが「生涯無災害」のスローガンのもと、安全第一の文化を根付かせ、施工の質までも向上させる原動力となっています。

株式会社ミヤガワの安全パトロールは、現場を熟知した協力会社のベテラン職人や営業担当者が合同で巡回する点が大きな特徴です。

現場目線でのチェックにより、図面や書類だけでは見落としがちな細かなリスクを的確に拾い上げ、その場での改善につなげることができます。

【活動の3つの目的】

1. 現場の安全確保

　現場内での労災や事故を未然に防ぐための徹底した確認

2. 再発防止策の共有

　その場での是正処置に加え、社内・協力者間での情報共有を行い、今後に活かす

3. 作業員の安全意識の向上

　「安全は作業の基礎」である考えを現場の全ての人々に根付かせる

ポイントは、ただ注意を促すのではなく、「なぜそれが危険なのか」を現場全体で理解し、共有する姿勢です。

この積み重ねが、より安全で質の高い現場づくりにつながっています。

安全パトロールでは多岐にわたる項目を独自のチェックリストに基づいて確認します。

チェックリストは自社で独自に作成し、関係者全員に共有されています。

たとえば、電動工具の安全使用や、配線の処理状況、廃材の整理整頓など、現場を清潔に保つことが事故防止につながると同時に、作業効率や施工精度の向上にも直結します。

• 工具の安全使用
  　丸のこ等の電動工具が正しく使用されているか。安全カバーが外れて鋸刃が露出していないか。
• 地ばい配線の有無
  　電線が導線上に散乱していると、つまずきや転倒の原因になります。配線のまとめ方に注意を促します。
• ドラムコードの全出し確認
  　ドラムコードは巻いたまま使用すると熱がこもり、最悪の場合は火災に繋がるリスクがあります。使用時には全て引き出すことが推奨されます。
• 廃材・資材の整理整頓
  　作業スペースや共用部における廃材や部材の配置を確認。導線を妨げていないか、滑りや転倒の原因にならないかを点検します。
• 施工精度のチェック
  　釘やビスの間隔（ピッチ）がメーカー仕様通りであるか、板材に割れや欠けがないかを目視確認します。
• 壁と床のクリアランス
  　壁材と床材の隙間が狭すぎると、施工後の「床なり」現象の原因になります。適切な間隔を保つことが重要です。
• 照明と作業環境
  　暗所での作業には適切な照明が必要です。無理な体勢での作業や視認性の悪さは事故のもとです。
• 保護具の着用状況
  　ヘルメット・手袋・安全帯等、各種保護具の正しい使用が行われているかを確認します。
• 安全目標の達成度
  　毎月定められている安全目標について、各現場の進捗や達成状況をチェックします。

【写真で見る安全管理の現場】

• 廃材のきちんとした整理整頓により、導線を妨げず、滑り事故を予防している様子

• フローリング上に施工された床暖房部分のチェック。釘の位置を慎重に確認することで、電熱線へのダメージを防いでいます

• 柔らかいスポンジ状の配線ガードを設置し、地ばい配線による転倒事故を防ぐ工夫。マグネットで簡単に固定できるため、作業性も高く、協力会社にも好評です。これらは株式会社ミヤガワからの支給品として、安全対策の一環で導入しています。

株式会社ミヤガワ施工協力会には、現在10社以上の協力会社が加盟しており、各現場の施工を支えています。

全体で見ると関係する協力会社の数は数百社に及ぶ可能性があり、組織としての規模は想像以上に大きなものとなっています。

「元請に言われたからやる」のではなく、「自分たちの現場は自分たちで守る」という意識が浸透しており、参加者からは「自分の目で確認することで安全意識が高まった」「お客様からの信頼が厚くなった」といった声も多く寄せられています。

現場での実践的な安全管理の積み重ねが、企業としての信頼性や顧客満足度の向上にもつながっているのです。

安全の意識が施工の質を高める

安全管理というと、義務的で堅苦しいイメージを持たれることもありますが、「安全パトロール」の取り組みは現場に前向きな影響をもたらしています。

安全な作業環境は、作業員の集中力やモチベーションを高め、その結果、丁寧で質の高い施工につながります。

また、安全への意識が高い会社は、元請や施主からの信頼も厚く、「またお願いしたい」「安心して任せられる」といった評価につながるのです。

 株式会社ミヤガワでは、安全パトロールの実施回数を増やしながら、安全チェックリストやマニュアルの標準化、組織図の明文化、情報のデジタル化なども視野に入れ、さらなる体制の強化を進めています。

「安心して任せられる工事会社を探している」「信頼できる職人に施工してほしい」

そんな方にこそ、株式会社ミヤガワの現場を知っていただきたいと考えています。
目に見えないところでの努力こそが、確かな品質となって、皆さまのもとへ届いているのです。