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体育館・多目的ホールに使われる「鋼製床」とは?

体育館・多目的ホールに使われる「鋼製床」とは?

体育館や多目的ホールなど、広くて人が多く集まる場所には、一般住宅とは異なる床が使われていることをご存じでしょうか?
その一つが「鋼製床(こうせいゆか)」と呼ばれる床構造です。
鋼製床は、その名の通り「鋼(はがね)」を使って支える床のこと。
一般的な床との違いや使われる場面、工事の工程、そしてメリット・デメリットまで、鋼製床についてわかりやすく解説します。

目次

鋼製床と乾式二重床、それぞれの特徴と用途とは?

床の構造にはいくつかの種類がありますが、よく比較されるのが「乾式二重床(かんしきにじゅうゆか)」です。

 

【乾式二重床とは?】

乾式二重床は、コンクリートなどの下地の上に、支持脚や束(つか)を使って床パネルを二重に設置する構造です。

主に住宅や学校などで使用され、配線スペースの確保や遮音性能向上を目的としています。

 

主な用途:住宅、保育園や学校の教室

支持材:プラスチック製や金属製の支持脚

耐久性・耐荷重:中程度

遮音性:高め

 

 

 

【鋼製床とは?】

鋼製床は、主に体育館やステージ、多目的ホールなどの大型施設で使われる構造で、鋼製の支持部材(大引鋼と根太鋼)をクロスに組み合わせて床全体を支え、より高い耐久性・荷重性能を持ち、経年劣化にも強いのが特徴です。

 

主な用途:体育館、多目的ホールなど

支持材:鋼製の支持材

耐久性・耐荷重:高い

遮音性:低い

 

「乾式二重床」は、快適性・メンテナンス性・軽量性に優れており、住宅や学校の教室などで多く採用されています。

一方で、「鋼製床」は、大勢が利用する施設や重機器が設置される空間において、長期的な耐久性と高い安全性を確保できるため、体育館や多目的ホールなど、人の出入りや荷重の多い場所で採用されることが多い構造です。

 

 

 

体育館や商業施設まで、鋼製床が選ばれる場所とその理由

鋼製床は、その優れた耐久性や施工の自由度の高さから、さまざまな施設で採用されています。

特に「広い空間に多くの人が集まる場所」「重量物の設置がある場所」で力を発揮します。以下に、代表的な使用例をご紹介します。

 

 

 

【体育館などのスポーツ施設】

スポーツ施設の床には、選手の体にやさしく、安全性を高める構造が求められます。

鋼製床は、クッションゴムやコイルスプリングを組み込むことで、弾力性や衝撃吸収性を備えた床を作ることができます。

これにより、走ったり跳んだりする際に膝の負担を軽減し、転倒時のけがのリスクも減らせます。

・学校や公共施設の体育館

・柔道・剣道などの武道場

・スポーツクラブのトレーニングスペース など

 

【商業施設や病院施設】

店舗などの商業施設や病院では、荷物の運搬や重量機器の設置などにより、床に大きな負荷がかかることがあります。

鋼製床は、そのような環境でもしっかりと耐えられる高い強度を持っているため、床が沈んだり破損したりする心配が少なく、長期使用にも安心です。

・学校の体育館

・商業ビル・店舗・ホテル

・老人福祉施設・病院

・オフィスビル など

 

 

鋼製床の工法「組床式」施工の流れ

鋼製床の施工は主に「組床式(くみゆかしき)」で行います。

 

 

「組床式」施工の流れ

1.墨だし 

まずコンクリート面をきれいに清掃し、図面に基づいて基準となる線(基準墨)を引きます。

この線をもとに、支持脚を設置する正確な位置を割り出します。

 

2.支持脚の固定 

コンクリートピンにてコンクリート面と支持脚をしっかり留め付けます。

 

3.大引鋼敷き込み 

支持脚の受け金具に、大引鋼という主要な鋼材を取り付けていきます。

この大引鋼が床全体の骨組みとなる重要な部分です。

 

4.レベル調整 

床が水平になるように、レベルを微調整します。調整後はナットをしっかりと締めて固定します。

 

5.根太鋼敷き込み 

大引鋼にクッションゴムを挟んで留め付けます。

 

6.合板を敷き込み

合板のジョイントを根太の上になるように並べ、各根太にビスでしっかり固定して完了です。

 

 

鋼製床のメリット・デメリット

【メリット】

・衝撃や荷重に強い

鋼製部材で構成されているため、重機や多くの人の移動にも耐え、安定した床が保てます。

 

・クッション性の調整が可能

ゴムやスプリングで、用途に応じた弾力性や衝撃吸収性を持たせることができます。

 

・床下空間を広く確保できる

乾式二重床よりも高く組めるため、配管・ダクトなどの床下設備が収まりやすくなります。

体育館のステージなどのように、高さが必要な構造にも対応可能で、強度を活かしてステージ下に収納スペースを設けることもできます。

 

 

【デメリット】

・支持脚の変更が難しい

一度施工した後は、支持脚の位置を変更しにくく、将来的なレイアウト変更には柔軟に対応しづらい面があります。

 

・遮音性に限界がある

遮音材を使っても、防音性はマンション用の置床構造ほど高くはありません。

 

・材料費・工事費が高め

鋼材や合板の使用が必須のため、乾式二重床よりコストがかかる傾向があります。

ただし、耐久性に優れるため、長期的にはコストパフォーマンスに優れています。

 

 

 

まとめ

体育館や多目的ホール、病院、商業施設など、広くて多機能な空間には、安全性・耐久性・機能性を兼ね備えた「鋼製床」が最適です。

鋼製床は、重機や設備の荷重、衝撃の多い動作にも十分に耐え、長期間にわたって安定した性能を発揮します。

さらに、用途に応じて弾力性や衝撃吸収性を調整できるため、体育館などでは選手の体に配慮した快適な環境づくりにも適しています。

こうした構造を安全かつ効率的に導入するには、専門的な知識と確かな施工技術が欠かせません。

当社では、施設の用途やご予算、ご要望に応じて、最適な鋼製床工事をご提案しています。豊富な実績をもつスタッフが丁寧に対応いたしますので、新築・改修を問わず、まずはお気軽にご相談ください。

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